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外壁に使用されるパワーボードの特徴とメリット・デメリット
2022.03.12
コラム
家の外壁材を選ぶ時は、どうしてもデザイン性を重視してしまいがちです。しかし、外壁材は耐久性に断熱性、防火性など、さまざまな機能を兼ね備えていなければなりません。これらの条件を満たし、扱いやすく人気が高いのが「パワーボード」です。ここではパワーボードの特徴や、メリット・デメリットをご紹介します。
パワーボードとは?
パワーモードは旭化成が販売している外壁材で、正式名称を「ヘーベルパワーボード」といいます。「ALC」という、スウェーデンで開発された素材を使って作られています。ALC外壁市場ではパワーボードのシェアが大きいため、ALC外壁全般を指して「パワーボード」と呼ぶことも珍しくありません。
ALCは、「軽量気泡コンクリート」というコンクリートの一種です。セメントや珪石、生石灰などを主原料とし、高温高圧蒸気養生して作られます。名前の通り内部に無数の気泡を含み、水に浮くほど軽いのが特徴です(通常のコンクリートの1/4程度)。この気泡や軽さが、後述する数々のメリットのもとになっています。
パワーボードのメリット
パワーボードには、実にさまざまなメリットがあります。まず、耐久性が非常に高いこと。適切なメンテナンスを行えば、50年~60年ほど交換なしで使い続けることができます。また、内部の気泡が空気の層となって熱の出入りを遮断するため、断熱性は通常のコンクリートの約10倍。パワーボードを使えば夏でも冬でも快適な家になり、冷暖房の効率アップによる電気代削減も期待できます。同じく空気の層のおかげで遮音性も高く、静かな家を作ることが可能です。
さらに、素材がコンクリートなので燃えにくく、仮に燃えたとしても有毒ガスを発生させません。非常に軽いため、耐久性と相まって地震のダメージを受けにくいのも魅力です。災害に強い家を作りたい時は、パワーボードが大いに効果を発揮するでしょう。
パワーボードのデメリット
パワーボードは、メリットが多い一方デメリットもあります。特に注意が必要なのは、素材がセメントであるために吸水性が高く、水に弱いことです。ただパワーボードを張るだけだと、雨水などが内部の気泡に染み込んでしまい、寒い時期に凍結・膨張することでひび割れを生じさせます。そのため、パワーボードは防水塗装とセットで施工するのが原則です。防水性や弾性に優れる塗料を選び、全体をしっかりと塗装するのが望ましいでしょう。
また、パワーボードはサイディングなどに比べるとサイズが小さく、その分つなぎ目が多めです。これは、人によっては見た目が気になるだけでなく、シーリング材を充填する場所が多いということでもあります。雨水が浸入しないよう、しっかり充填して厚みを出さなければなりません。そして、塗装もシーリングも経年劣化は避けられず、劣化を放置すれば雨水が浸入し、パワーボードのひび割れや雨漏りを招きます。定期的に塗装やシーリングを補修することが大切なので、業者にも相談してしっかりメンテナンス計画を立てましょう。
今回のまとめ
パワーボードは、とても使いやすく魅力の多い外壁材です。定期的に塗装やシーリング施工をする必要はあるものの、それさえ守ればとても長く活躍してくれます。高性能な住宅を作りたい時は、ぜひ選択肢に入れておきたいところです。パワーボードをうまく使い、快適で長持ちするマイホームを作り上げましょう。
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