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基礎の強さを左右するベタ基礎・布基礎の違いとは

2022.03.02

コラム


耐久力が高く安全な家を建てたい時は、家を支える「基礎」をしっかりと作る必要があります。この基礎部分には、大きく分けて「ベタ基礎」と「布基礎」の2種類があることをご存知でしょうか? それぞれ特徴が異なるため、状況に応じて使い分けることが大切です。ここでは、ベタ基礎と布基礎の違いについて解説します。

【目次】
1.ベタ基礎とは?
2.布基礎とは?
3.ベタ基礎と布基礎はどちらがいいの?
4.今回のまとめ

 

ベタ基礎とは?

ベタ基礎は、床下の底面全体に鉄筋を入れ、コンクリートを流し込んで作る基礎です。立ち上がり部分(壁や柱の下に来る出っ張った部分)にも鉄筋コンクリートが入っており、基礎全体が一体化して建物を「面」で支えています。ベタ基礎の根入れ(地中に埋める部分)の深さや底盤の厚さなどは、関連法令で細かく定められています。ベタ基礎のメリットは、建物を広い面で支えるので荷重が分散し、耐震性が高まることです。同じ理由で、建物の一部だけが沈み込んでしまう「不同沈下」もあまり発生しません。この点が注目され、阪神大震災以降の住宅はベタ基礎を採用するケースが増えました。
また、床下の地面全体を分厚いコンクリートで覆ってしまうので、地面の湿気が建物に伝わりにくく、木材が腐食しにくいというメリットもあります。加えて、シロアリの被害防止にもつながります。一方デメリットは、布基礎に比べて鉄筋コンクリートの使用量が多い分、コストが高くなりがちなことです。さらに、寒冷地では地面が凍結し、基礎を押し上げる可能性がある点にも注意が必要です。これは根入れを深くすれば対応できますが、その分コストは高くなります。

布基礎とは?

布基礎は、断面が逆T字型をした鉄筋コンクリートを地面に打ち込み、建物を支えるタイプの基礎です。名前に布とついているのは、形状が布の繊維に似ているからだという説があります。立ち上がり部分以外にもコンクリートを流し込む場合もありますが、この部分は地面に埋められておらず鉄筋も入っていません。そのため、建物を「点」と「線」で支えることになります。布基礎のメリットは、ベタ基礎に比べて使用する鉄筋やコンクリートの量が少なくて済むので、コストを抑えられることです。また、基礎を深いところまで埋めるため、ピンポイントではベタ基礎よりも強度が高くなる場合もあります。デメリットは、「点」と「線」で建物を支える関係上、ベタ基礎よりも耐震性が劣ることです。安定性も地盤の強さの影響を受けやすく、基礎が部分的に沈み込んで建物の歪みや傾きを招くこともあります。加えて、立ち上がり部分以外のコンクリートはベタ基礎より薄いので、湿気やシロアリにも強くありません。

ベタ基礎と布基礎はどちらがいいの?

ベタ基礎と布基礎は、どちらにもメリットとデメリットがあります。では、これから実際に住宅を建てる場合、どちらを選ぶといいのでしょうか。まず、耐震性や防湿性・防蟻性を重視する場合は、もちろんベタ基礎がおすすめです。地盤が軟弱で布基礎が適さない場合も、ベタ基礎が向いているでしょう。コストの高さが気になるところですが、昔に比べると普及が進んでいるため、価格の差はだんだん縮まってきています。
一方、コストを少しでも抑えたい場合は布基礎がおすすめです。耐震性や防湿性は他の方法で高めることも可能なので、布基礎の家だからといって必ずしも耐震性・防湿性が低いわけではありません。そして寒冷地、特に凍結深度が設けられているエリアでは、基礎を深くまで掘りやすい布基礎が適しているでしょう。

今回のまとめ

家づくりでは、どうしても目に見える部分のデザインや機能だけにこだわってしまいがちです。しかし、頑丈で安定した基礎がなければ、どんな家でも安心して住むことはできません。マイホームの設計をする時は、必ず基礎にも目を向けることが大切です。ベタ基礎と布基礎の特徴をよく理解し、適切な方を選んで安全な住まいを作りましょう。