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老若男女が昇り降りしやすい階段とは? 適切な幅や高さを解説!

2023.07.20

コラム

家の中の上下移動に不可欠な階段は、移動が大変で事故が起きやすい場所でもあります。特に高齢者や小さいお子様は、昇り降りするだけで疲れたり、危険を感じたりすることも多いでしょう。安全で使いやすい階段を作るためには、幅や高さといった寸法に気を配ることが大切です。ここでは、老若男女が昇り降りしやすい階段の寸法について解説します。

【目次】
1.法律による階段の寸法の基準
2.昇降しやすい階段寸法の計算方法
3.昇降しやすい階段を作る時の注意点
4.今回のまとめ

 

法律による階段の寸法の基準

最初に、法律で定められた階段寸法の基準を確認しておきましょう。階段の主な寸法としては、一段の高さである蹴上(けあげ)、一段の奥行きである踏面(ふみづら)、階段と踊り場の幅があります。そして、建築基準法施行令では、一般住宅における階段の寸法を以下のように定めています。
蹴上…23cm以下
踏面…15cm以上
階段と踊り場の幅…75cm以上
これらの寸法を守って作れば、少なくとも法的には問題ありません。しかし、蹴上23cmや踏面15cmというのは、かなり急で狭い階段です。高齢になった時のことを考えると、実際にはもう少し蹴上を低く、踏み面を広くするのが望ましいでしょう。ちなみに、公共施設の階段寸法は、さらに余裕を持って定められています。
たとえば、中学校や商業施設、映画館といった施設では、蹴上18㎝以下、踏面26㎝以上、階段・踊り場の幅140㎝以上、踊り場の位置は高さ3m以内ごとです。これらの施設は不特定多数の人が利用するため、より安全で通行しやすい階段になるよう配慮されています。

昇降しやすい階段寸法の計算方法

誰でも昇降しやすい階段を作るためには、蹴上と踏面のバランスが重要です。一般的には、以下の計算式に収まる程度の寸法がいいとされています。
蹴上×2+踏面=60cm
日本人の標準的な歩幅は60cm程度なので、この寸法なら昇り降りしやすいというわけです。計算結果が60cmよりも小さいと小刻み過ぎて昇降しにくく、逆に60cmを大きく超えると大股で歩かなければならなくなります。ただ、前述した最低限の基準でも、23cm×2+15cm=61cmなので、この計算式から大きく外れてはいません。したがって実際には、この計算式をクリアしていれば何でもいいわけではなく、もう少し蹴上を低く・踏み面を広くするべきだといえます。たとえば、蹴上19cm・踏面22cmや、蹴上18cm・踏面24cmなどが適切です。

昇降しやすい階段を作る時の注意点

ここまで解説したポイントを守れば、老若男女を問わず歩きやすい階段が作れるでしょう。ただ、1つ注意しておきたい点があります。それは、広くて緩やかな階段を作ろうとすると、どうしても相応のスペースが必要になることです。階段にスペースを割けば、その分他の部屋のスペースが削られてしまいます。また、階段の施工費用が高くなる点にも注意が必要です。新築の場合は、どのくらいの広さや寸法の階段が適切なのか、十分に検討するのが望ましいでしょう。
一方、リフォームの場合は、階段のスペースを拡張できない場合も多いと思われます。そんな時は、滑り止めや手すり、フットライトなどを設置して安全性を高めるのがおすすめです。いわゆる「互い違い階段」を設置して、全体のスペースはそのままに踏面を広げる方法もありますので、検討してみましょう。

今回のまとめ

階段は、蹴上や踏面の寸法に少し気を配るだけでも、とても登り降りしやすくなります。設計の段階から階段の使いやすさを意識するのはもちろん、「最近昇り降りがつらくなってきたな……」と感じたら、リフォームを検討するのがおすすめです。将来のことを考え、家族みんなが使いやすい階段を作りましょう。