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戸建住宅の外壁の素材別メリット・デメリット「サイディング編」

2021.12.11

コラム


建物の外壁材にはいろいろな種類があります。建物の見た目の印象を大きく左右するだけでなく、風雨や紫外線から建物本体を守る役割も果たしているパーツなので、よく検討した上で最適なものを選ぶことが大切です。そこで今回は、最も一般的な外壁材の1つである「サイディング」の特徴や、メリット・デメリットを紹介します。

【目次】
1.サイディングの特徴と種類
2.サイディングのメリット
3.サイディングのデメリット
4.今回のまとめ

 

サイディングの特徴と種類

サイディングは、セメントや金属などを板状に成形した外壁材です。外壁に並べて貼り付け、サイディングボード同士の隙間をコーキングで埋めて防水を行います。外壁材としての歴史は浅く、日本で普及し始めたのは90年代からです。現在は最も多く使われている外壁材となり、全体の9割がサイディングだといわれるほどになりました。
また、サイディングを材質によって分類すると、セメントと繊維質を混ぜた「窯業(ようぎょう)系」、ガルバリウム鋼板などを成形した「金属系」、木材を加工した「木質系」、そして樹脂でできた「樹脂系」の4種類があります。それぞれ特徴が異なるため、周囲の環境や目的によって使い分けることが重要です。

サイディングのメリット

サイディングのメリットは材質によって細かく異なりますが、全体に共通しているのは比較的安価であることです。木質系はやや高価なものもありますが、窯業系や金属系のサイディングはとてもリーズナブルで、費用を抑えたい時に重宝します。また、工業製品なので品質が安定していることや、施工難易度が比較的低いので、職人の技術に依存しにくい点も見逃せません。
工期も短いため、生活への影響も最小限に抑えられます。短工期により職人の人件費も抑制でき、コスト削減にもつながっています。
さらに、防火性に優れていることもメリットです。木質系は材質の問題でやや劣りますが、窯業系や金属系のサイディングは非常に高い防火性を誇ります。火災に強い家を作りたい時は、ぜひ選択肢に入れておきたい外壁材です。

サイディングのデメリット

サイディングのデメリットは、初期費用こそ安価であるものの、機能を維持するためのメンテナンス費用(ランニングコスト)がかかりやすいことです。サイディングボード自体の寿命は20年~40年程度と長いのですが、表面の塗装やボード間のシーリングは、10年に1回程度のスパンで塗り替え・再施工する必要があります。特に窯業系や木質系のサイディング材は防水性が低く、表面の塗膜が剥がれると水を吸収しやすい点に注意しなければなりません。
また、サイディング全体の問題として、つなぎ目が目立ちやすいことも人によっては気になるでしょう。その他、窯業系サイディングは熱を吸収しやすいこと、金属系は傷がつきやすくサビの発生リスクがあることなど、素材ごとにデメリットが異なります。一部の特徴だけに目を向けるのではなく、総合的に比較検討することが大切です。

今回のまとめ

サイディングは価格の安さや工期の短さ、入手のしやすさにより、外壁材を選ぶ時はまず選択肢に入ります。なるべく費用を抑えつつスムーズに工事を終えたい時は、特にメリットが大きい外壁材といえるでしょう。もちろん、実際の性能は素材にも左右されるため、求める要素に優先順位をつけて最適なサイディングを選んでください。