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住宅業界が直面する問題「ウッドショック」とは

2021.12.02

コラム


最近、住宅業界では「ウッドショック」という問題が発生しています。これは簡単に言えば木材の大幅な値上がりのことで、家づくりに木材を多用する住宅業界は、大いに悩まされているのが実情です。なぜこんなことが起きてしまったのでしょうか? ここではウッドショックの原因や、今後の見通しについて解説します。

【目次】
1.ウッドショックとは?
2.ウッドショックの原因
3.ウッドショックはいつまで続くのか
4.今回のまとめ

 

ウッドショックとは?

ウッドショックとは、2021年3月頃から発生している、輸入木材の需給逼迫による価格高騰のことです。かつて原油の価格高騰によって発生した「オイルショック」にちなんで名付けられました。もともと日本では木材の自給率が低く、6割強を海外からの輸入に依存しています。これは、戦時中から戦後にかけて国内の森林が大量に伐採され、その不足を補うために輸入に頼るようになったことが原因です。加えて、従事者の高齢化が進み、日本の林業が衰退したことで、ますます輸入材への依存度が高まりました。
そんな状況下で輸入材の価格が高騰したため、住宅用木材の確保が非常に難しくなってしまったのです。特に厳しいのが、梁に使われる強度の高い木材(カラマツなど)の確保。国産材を主に使っているメーカーはそれほど影響を受けていませんが、ローコスト住宅や建売住宅が中心のメーカーは輸入材への依存度が高く、住宅価格の値上がりが懸念されています。

ウッドショックの原因

ウッドショックが発生した原因は、2020年初頭から世界を騒がせている、新型コロナウイルスのパンデミックです。もともとカナダで害虫被害が発生していたのに加え、コロナ禍の影響で労働者が減り、伐採・供給される木材の量が減ってしまいました。また、アメリカや中国などでは政府の財政出動・低金利政策も手伝い、リモートワークのために郊外に家を設ける人が増加。住宅用木材の需要が大幅に高まり、世界中で需給バランスが崩れてしまったのです。これでは値上がりするのも仕方がありません。
さらに、同じくコロナ禍が引き起こした「コンテナ不足」も、ウッドショックにつながっています。外出しにくくなったことでネットショッピングの利用が増え、世界中で流通が圧迫。荷物を運ぶためのコンテナが不足し、木材があっても運びにくい状況になってしまったのです。コロナ禍に端を発するいろいろな問題が絡み合い、ウッドショックを引き起こしているといえます。

ウッドショックはいつまで続くのか

ウッドショックが長引けば、住宅の価格が高くなるのはもちろん、工期の延長などの問題も発生します。では、ウッドショックは一体いつまで続くのでしょうか。結論から言うと、コロナ禍の出口がまだ見えていないのと同様、ウッドショックの収束の見通しも立っていません。あくまでも一時的な現象という見方もありますが、当面は影響が続くと考えられます。
安さを前面に打ち出して販売していたメーカーも、方針転換をしなければならないかもしれません。一方、これを機会に国産材の利用増加につなげようという動きもあります。輸入材と国産材は強度や価格が違うので、単純に入れ替えるわけにはいきませんが、そもそも日本は森林大国。木材の「地産地消」ができれば1番いいのは間違いありません。サプライチェーンを見直し、輸入に依存している状況から脱却すべき時が来ているのではないでしょうか。

今回のまとめ

ウッドショックは、日本が森林に恵まれた国でありながら、木材を輸入に依存しているという現実を見せつけてくれました。しばらくの間は、高くても家を購入すべきなのかどうか、慎重な判断を迫られる状況が続きそうです。住宅の購入やリノベーションの計画を見直さなければならないケースもあるでしょうから、専門業者とよく相談してみてください。