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太陽光発電の売電単価は今後10年でどう変化するのか?
2021.11.09
コラム
太陽光発電パネルを設置すると、電力を自家発電で賄えるだけでなく、生産した電力を「売電」して利益を出せるのが魅力です。しかし、2019年からはFIT(固定価格買取制度)の適用期間が終了する人が出始め、固定買取価格自体もだんだん安くなってきました。今後、太陽光発電の売電単価はどうなっていくのでしょうか? 今回は、現在わかっている情報をもとに、今後10年程度の見通しをご紹介します。
【目次】
1.FIT制度による売電単価の現状と見通し
2.2022年から始まるFIP制度に注目!
3.少しでも高く売れる会社選びも重要
4.今回のまとめ
FIT制度による売電単価の現状と見通し
FIT制度を利用する場合の売電単価(調達価格)は、毎年見直されています。2021年度の売電単価は19円/kWh、2022年度分もすでに決まっていて17円/kWhです(規模10kW未満の場合)。2009年~2010年は48円/kWhだったことを考えると、随分安くなりました。ここまで安くなったのは、太陽光発電のコストが効率化され、適正な市場が形成されたためです。固定買取価格制度ができた当初は市場が未熟な状態で、発電システムの設置費用も非常に高価でした。
しかし、太陽光発電が普及するにつれて市場が発達し、発電システムの設置費用も低廉化。それに合わせて売電単価も下げられていったのです。政府は現在、2030年度までに固定買取価格を7円/kWhにする目標を立てています。これは、いわゆる卒FITを迎え、固定価格買取制度が適用されなくなった状態とほぼ同じ金額です。2009年当初とは、大きく状況が変わると考えなければなりません。
2022年から始まるFIP制度に注目!
FITの恩恵は今後小さくなってしまいますが、だからといって売電で利益が出せなくなるわけではありません。2022年からは、少し形を変えた新たな制度がスタートします。それが「FIP(Feed in Premium)制度」です。FIP制度下では、売電自体は取引市場で自由に行われる一方、売電収入の基準となる「FIP価格」があらかじめ設定されます。
そして、市場価格の平均値などから決められた「参照価格」をFIP価格と比較し、その差額分を補助額(プレミアム)の上乗せによって補う仕組みです。つまるところ、常に固定価格ではなく市場の影響は受けるものの、市場価格よりも高い金額で売電ができる制度と考えていいでしょう。総合的な収入はFIT制度下とほぼ変わらず、上乗せのために電気使用者から徴収される賦課金も、FITより抑えられると想定されています。まだ不確定の部分もありますが、今後も電力を高く売却したければ注目しておきましょう。
少しでも高く売れる会社選びも重要
ここまでご紹介してきた制度も、永久に続くとは限りません。しかし、仮にお得な制度がなくなったとしても、電力をより高く売るためにできる工夫はあります。最も単純なのは、少しでも買取価格が高い電力会社や、お得なポイント制度などを用意している電力会社と契約することです。また、電気料金は今後も値上がりしていくと考えられていますが、太陽光発電で生み出した電力を自家消費すれば、電気料金値上げの影響をあまり受けません。
つまり、電力の自家消費率が高い家庭は、相対的に光熱費を抑えられる可能性が高いのです。もちろん、昼間に発電した電気を蓄電池に貯めておいて夜間に使えば、さらにお得になるでしょう。このように、制度と関係なく利益を出す・負担を減らす方法を考えることも大切です。
今回のまとめ
家庭や事業所での太陽光発電は、まだまだ普及し始めたばかりです。売電単価の保証制度についても、10年後どうなっているかは明確にはわかりません。少しでもお得に売電するためには、常に最新情報を集めておくことが重要です。2022年からはFIP制度も始まりますから、どのようなスタイルが自分に合っているのか考えてみてください。
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