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2×4(ツーバイフォー)は湿気に弱いって聞くけど本当?

2021.08.02

コラム


2×4(ツーバイフォー)工法は、壁・床・天井による六面体構造の空間を作り、建物を「面」で支える家づくりの方法です。耐震性や気密性・断熱性に優れていますが、一方で「湿気に弱い」「カビや結露が発生しやすい」と評価されることもあります。これは事実なのでしょうか。今回は、ツーバイフォー工法と湿気の関係について解説します。

【目次】
1.換気不足の問題は改善されている
2.ベタ基礎になったことで地面からの湿気も改善
3.屋根がつくのが遅いため、建築中の雨に注意
4.今回のまとめ

 

換気不足の問題は改善されている

最初に結論を言うと、最近建てられたツーバイフォー工法の建物であれば、湿気が問題になることはそれほどありません。そもそも「ツーバイフォーは湿気に弱い」とされる理由は、気密性の高さにあります。屋内の空気が入れ替わらないので湿気が逃げて行かず、湿度が高くなってカビや結露の発生につながるという理屈です。確かに、かつてのツーバイフォー工法の住宅にこのような問題があったのは否定できません。しかし、改正建築基準法が施行された2003年7月以降は、シックハウス症候群への対策として、すべての建物に24時間換気システムの設置が義務付けられました。つまり、これ以降に建てられた住宅は、どれだけ気密性が高くてもしっかり換気ができているのです。
それに加え、最近のツーバイフォー工法の住宅は、壁と耐力面材の間に通気層を設けるようになりました。したがって、これからツーバイフォー工法の住宅を建てる分には、換気不足を心配しなくてもいいでしょう。

ベタ基礎になったことで地面からの湿気も改善

かつて「ツーバイフォーは湿気がひどい」とされていた原因はもう1つあります。それは、昔の家の基礎は「布基礎」が主流だったことです。布基礎とは、地面に逆T字型のコンクリートを打ち込んで基礎にする方法で、床下の地面が露出しています。そのため、特に田んぼや沼などが近い場所では、床下に湿気が溜まりやすいのが欠点です。ツーバイフォー工法が普及し始めた昭和40年代~50年代は、大半の住宅が布基礎を採用していました。その上24時間換気も義務付けられていなかったので、床下から上がってくる湿気の影響が大きかったのです。気密性の高いツーバイフォー住宅にとっては、あまりいい環境ではありません。
しかし、最近の基礎作りは床下全体をコンクリートで覆う「ベタ基礎」が主流になっています。これにより、床下の湿気の問題は大きく改善できているのです。もちろん、床下の木材が腐敗してシロアリの被害にあうリスクも抑えられています。

屋根がつくのが遅いため、建築中の雨に注意

ツーバイフォー工法の湿気に対する弱さは概ね改善されていますが、一方で変わっていない欠点もあります。実はツーバイフォー工法は、在来工法に比べて建築時に屋根がつくのが遅く、平均で4日~5日、長いと1週間ほどかかることもあります。そのため、屋根ができる前に雨が降ると、木材が濡れてしまうのです。「乾燥させればいいだけでは?」と思うかもしれませんが、工期の問題もあるので完全に乾燥させられるとは限りません。そのまま家づくりを進めると、一部の木材が湿気を帯びたままになり、腐食やカビにつながります。したがってツーバイフォー工法を採用するなら、雨が少ない時期を選んで工事の計画を立てるとともに、雨対策について業者とよく相談するのが望ましいでしょう。

今回のまとめ

「ツーバイフォー工法は湿気に弱い」というのは、あくまでも昔の話だといえます。建築中の雨の問題はどうしても残るので、その点は業者と相談する必要がありますが、完成後の換気を心配する必要はありません。在来工法と比較するなら、むしろ他の点に目を向けるといいでしょう。