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地震に強い家づくりのために知っておくべきカイン・ガルという単位

2021.07.27

コラム


重さや長さを表すキログラムやメートルと同じように、地震の強さを表す単位としては「カイン」や「ガル」があります。たとえば、東日本大震災は最大100カイン、2933ガルでした。これらは具体的に何を表す単位なのでしょうか。ここでは、カイン・ガルという単位の意味や、これらがどのように家づくりに活かされているのかをご紹介します。

【目次】
1.ガルは「揺れの大きさ」を表す単位
2.カインは「揺れの速度」を表す単位
3.実大実験で確かめる
4.今回のまとめ

 

ガルは「揺れの大きさ」を表す単位

ガルとは、瞬間的な加速度の単位です。地震によって建物にかかる瞬間的な力、つまり揺れの大きさを表す単位として用いられます。たとえば、車を運転している時に徐々にアクセルを踏んでスピードを上げていくより、一気にアクセルを踏み込んでスピードを上げた方がガルの数値は大きくなります。瞬間的にクルマにかかる力は、一気にアクセルを踏み込んだ方が大きくなるからです。一見すると、ガルの数値が大きいほど地震が建物に与える被害も大きくなりそうですが、実はそうではありません。地震の周期や揺れが収まる時間も、建物へのダメージに影響を与えるからです。過去に発生した地震でも阪神淡路大震災は900ガル、東日本大震災は2933ガルでしたが、建物をより多く倒壊させたのは阪神淡路大震災でした。

カインは「揺れの速度」を表す単位

カインとは、地震の強さを揺れる速度で表す単位です。1カインは、1秒間に1cm動いたということを示します。上述したガルが瞬間的な加速度であることに対して、カインはこれに時間をかけて地震エネルギーの規模を表します。つまり、地震の揺れの強さ×揺れた時間=カインとなるのです。過去に起きた地震では、カインの数値が大きいほど建物の倒壊率が高くなっていました。そのため現在では、地震が建物に与える影響は、ガルよりもカインを用いて考えることが多くなってきています。建物の設計を考える上でも、「何カインまでなら耐えられるのか」を念頭において設計されることが増えているのです。

実大実験で確かめる

カインやガルという単位は、発生した地震の強さを測定する場合はもちろん、「実大実験」においても重要になります。実大実験とは、理論上の数値に頼るだけでなく、実物大の建物に200カインや3000ガルなどの揺れを与えて耐震性を確かめるというものです。実大実験を行うと、過去に起きた地震に耐えられることを証明できるのに加え、未来に起こりうる巨大地震への対策もできます。実際に、近い将来の発生が予測されている首都直下地震や南海トラフ地震を想定した実大実験も行われているのです。「200カインの揺れを10回与えても倒壊しない」などと実大実験で証明されれば、その建物は非常に安全性が高いといえます。このように住宅の耐震性能は、具体的な数値をもとにした実験により確かめられているのです。

今回のまとめ

カインやガルは、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、地震の強さを測る上では重要な単位です。地震対策に力を入れているハウスメーカーなら、自社の住宅が何カインまでなら耐えられるのかをしっかりと把握しています。施工会社を探している時は、担当者にこのような知識があるか、そして実験に用いているのかどうかも参考にしてみましょう。