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木造住宅は火災の被害が大きくなりやすいって本当?

2021.03.10

コラム


木造住宅は、いかにも火災に弱そうなイメージがあります。そのため、「家を建てるなら鉄骨やコンクリートにしたい」という方もいるでしょう。しかし、これはまったくの誤解であり、実のところ木造住宅は火災に強いのです。ここでは、木造住宅が火災に強い理由を解説します。

【目次】
1.木造住宅は燃えるのに時間がかかり、強度を保てる
2.木造住宅は有毒ガスが発生しにくい
3.木造住宅は燃え抜け対策が重要
4.今回のまとめ

 

木造住宅は燃えるのに時間がかかり、強度を保てる

多くの方がご承知のように、木はよく燃えます。しかし、火をつけると簡単に燃え尽きてしまうのは、焚き火に使われるような木の枝や木屑、そしてマッチなどの話です。実は、建材として使われるようなある程度太い木材は、火がついてもそう簡単に燃え尽きません。木材に火がつくと、まず表面が燃えて炭化し、「炭化層」になります。この炭化層が、内部への熱の伝導や酸素の供給を妨げるため、芯まで燃えるには長い時間がかかるのです。しかも、木材は高温にさらされても変形しにくく、強度を保ちます。そのため、中にいる人が逃げるまでの時間を十分に稼いでくれるのです。一方、鉄骨は着火しにくいのですが、高温にさらされると大きく変形し強度を失います。その結果、崩落の危険性が高くなるのです。万が一の時に居住者の命を守ることを重視するなら、木造の方が優れているといえます。

木造住宅は有毒ガスが発生しにくい

木造住宅のもう1つの強みは、燃えても有毒ガスが発生しにくいことです。火災による死者を死因別に見ると、1位の「火傷」と2位の「一酸化炭素中毒・窒息」には、それほど差がありません。また、「火傷」は「有毒ガスを吸って動けなくなったために焼死した」というケースも含むため、実際にはより多くの人が有毒ガスで命を落としているのです。人工の建材は、燃えると塩化水素やアンモニアといった有毒ガスを発生させるものが多く、火災時の危険性が高いのは否定できません。一方、自然素材である木材も一酸化炭素や二酸化炭素を発生させますが、有毒ガスの発生量は人工素材よりも抑えられます。そのため、有毒ガスによる被害も軽減でき、意識を失わずに逃げやすいのです。

木造住宅は燃え抜け対策が重要

ここまで見てきたように、木造住宅は決して火災に弱くありませんが、注意すべき点もあります。それは、柱や梁といった「構造躯体」に加えて、壁や床といった「仕上げ」部分も燃えることです。これらの部分が焼け落ちて貫通する「燃え抜け」が発生すると、延焼の可能性が高くなります。コンクリートの壁なら、燃え抜けはまず起きません。そのため木造住宅では、石膏ボードなどによる耐火被覆で弱点を補うのが基本です。ただ、こうすると木材は隠れてしまうため、木の温もりは薄れてしまいます。もし、木材の構造部分を見せる「あらわし」仕上げにしたい場合は、壁の厚さが重要です。十分に厚い木材の壁があれば、着火しても表面に炭化層ができ、簡単に燃え抜けることはありません。このような壁に火をつけたところ、裏面は表面温度が上昇すらしなかったという実験データもあります。また、伝統的な「塗り壁」も防火性能が高く、木材との相性のよさは抜群です。これらの点に目を向ければ、木材を豊富に使っても十分に火災に強い家が作れるでしょう。

今回のまとめ

木造住宅は「燃えやすい」というイメージが先行しがちですが、これは大きな誤りです。確かに火はつきやすいものの、強度を保ちやすく有毒ガスも発生しにくいなど、鉄骨やコンクリートに比べて優れている点もたくさんあります。もちろん注意すべき点もありますから、火災に強い木造住宅を建てたい時は、経験豊富な会社に相談してみてください。