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鉄骨(RC)が木造よりも全面的に優れているという大きな間違い

2019.05.03

コラム

鉄骨の住宅を販売しているハウスメーカーのセールスマンは、口を揃えて「鉄骨の方が木造よりも優れている」と言います。その理由を聞くと、確かに知識の少ない一般の方が信じてしまいそうな理屈です。しかし、その理屈には大きな情報の操作があり、一つひとつゆっくり考えてみると、必ずしもそうとは言えないことばかりです。
今回は、そんな鉄骨(RC)が木造よりも全面的に優れていると言われている大きな間違いについて解説いたします。

一般的な「鉄骨>木造」という考え方

「鉄骨の方が木造よりも優れている」と言う方々の理屈としては、大きく分けて、次の3つが挙げられます。

木造は耐震強度が低い
木造は耐火性能が低い
木造はシロアリの被害に遭う

どの情報を見ても、暮らしにおいて非常に大切なことであり、それを聞いた方が不安になる気持ちもよくわかります。しかし、その情報の信ぴょう性をしっかりと調べた方までは少ないと思います。つまり、鉄骨系住宅のセールスマンに言われるがまま盲目的に信じ込んでしまっているのです。

鉄骨が木造よりも全面的に優れているわけではない

ここでは、鉄骨が木造よりも優れているという理屈を、一つひとつ紐解いて考えてみましょう。これまでの情報がいかに極論であり、偏った考え方なのかを少しだけご理解いただけると思います。

木造は耐震強度が低い

地震大国である日本では、耐震強度が重要な問題です。確かに鉄筋とコンクリートで作られたものの方が、木で作られたものよりも頑丈そうですが、果たして本当にそうでしょうか。
この理屈を語る際に必ずと言って良いほど挙げられるのが、「阪神大震災の際に倒壊した家のほとんどが木造住宅だった」という情報です。しかし、阪神大震災で倒壊した家のほとんどが1981年以前に建設された住宅であり、旧耐震基準に則って建てられたものばかりです。確かに、昔の木造住宅の耐震強度は少し心もとない部分がありましたが、現代(1981年以降)の木造住宅は、鉄骨とほぼ同等かそれ以上の耐震強度を備えていると言っても良いほど進化しています。

木造は耐火性能が低い

こちらも、木とコンクリートでは木の方が燃えやすいのは明らかであり、一般の方を納得させやすい理屈です。
しかし、火事が発生した場合は、内装(壁紙・床・家具など)から火の手が進み、一酸化炭素中毒によってなくなることがほとんどです。鉄骨住宅でも内装は木造と同じ素材で作られているため、条件は全く同じです。また、鉄骨の柱は燃えにくいのですが、木造の柱も火事の際は炭化(燃え尽きず硬い炭になること)を起こすため、倒壊することなく家を支え続けてくれます。
なお、近年、多くの鉄骨住宅に使用される「軽量鉄骨」は、木よりも圧倒的に火に弱く、700度を超えたあたりからグニャッと溶けて曲がってしまいます。

木造はシロアリの被害に遭う

最後に、木の大敵であるシロアリの被害ですが、これも現代の住宅ではほとんどありません。建設に使用される木材の一本一本にシロアリ対策を施しており、しっかりとメンテナンスしながら住み続けることで、シロアリ被害はほとんど防ぐことが可能です。
また、鉄骨住宅と言っても、柱が鉄骨で作られているだけで、実はたくさんの木材が使われています。つまり、シロアリのリスクは木造とあまり変わりません。「うちは鉄骨だから大丈夫」と高をくくって対策を施さないことが一番危険です。

今回のまとめ

木造は1500年以上前の飛鳥時代以前から使われている日本の伝統的な構造であり、多くの神社・仏閣を見てもわかるように非常に長持ちするものです。加えて、現在はその当時の比ではないほど耐震・耐火・防アリ技術が進んでおり、鉄骨と同等かそれ以上の性能になっています。
構造や地域によっては、鉄骨が向いている場合もありますが、日本の一般的な住宅には、やはり木造の方が適している場合が多いため、偏った情報に惑わされずにしっかりと判断してくださいね。