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住まいづくりの際は使い勝手の良い階段を設計しましょう
2019.03.04
コラム
昔から、腕の良い設計士は階段の設計が上手い、良い大工は階段の収め方が上手いと言います。それくらい階段の設計や施工は難しく、階段の作り方によって家の雰囲気や使い勝手も大きく異なります。たかが階段と安易に考えている方も多いのですが、階段こそ時間をかけてしっかりと考えるべきです。
今回は、家族全員にとって使い勝手の良い階段の考え方についてお伝えいたします。
階段の設計を考える際の注意点
階段は、一日に何度も上り下りする場所であり、あまり気にしていなかったけど、実は利用にあたりすごくストレスがかかっているというケースも少なくありません。角度が急であったり、手すりがなかったり、踏面が狭いと、気がつかないだけで実は大きなストレスにつながっています。
また、家の中でも特に怪我や事故の多い場所でもあります。足を踏み外して転落してしまうと、最悪のケースでは命に関わるため、軽視しすぎずにしっかりと考えることが大切です。若い今は大丈夫でも、長年暮らし続ける家ですから、老後のことも考えて危険性を排除した設計を行いましょう。
種類ごとに見る階段の使い勝手
階段には大きく分けて二つの種類があり、それぞれの特徴を理解した上で、自分の家にとって最適な形を選びましょう。
直線階段
直線階段は、読んで字の如くまっすぐの階段です。それほど広いスペースを必要としないため、狭い家でもすっきりと収めることができます。
しかし、万一転落してしまった場合は、ノンストップで下まで転げ落ちてしまうため、大きな危険が伴います。高齢者がいる家庭では避けることが望ましく、できれば手すりを設けて転落リスクを軽減しましょう。
折れ曲り階段
折れ曲り階段とは、階段の中腹に踊り場を設けた、折れ曲がった形の階段です。万一転落した場合も、途中の踊り場で止まるため、大怪我や最悪のケースを防ぐことができます。
しかし、その分だけ階段に要するスペースが広く、狭い家には不向きです。床面積が広めの家を建てる場合は、折れ曲り階段を選択しておくことをお勧めします。
理想的な階段の考え方
階段の設計は、建築基準法で「最低限の数値」が決められており、足を乗せる踏面の縦幅が15センチ以上、足を上げる高さである蹴り上げが23センチ以上と定められています。しかし、この数値通りに設計すると、踏面は狭く、蹴上は高いため、非常に使いづらい階段になってしまいます。
そこで、理想的な階段の考え方として、「45センチの法則」を覚えておくと良いでしょう。この法則は、踏面の長さと蹴上の高さの合計が45センチになるように設計すると、非常に使いやすい階段が出来上がるというものです。例えば、踏面が20センチの場合、蹴上は25センチ、踏面が23センチの場合、蹴上は22センチといった具合で考えることで、老若男女にとって安全で使いやすい階段が完成します。
今回のまとめ
住まいづくりを行う際、リビングやキッチンなどの花形の場所は、誰もが真剣に考えて熱が入りますが、階段となると少し熱が下がってしまいます。それどころか、「階段は任せます」と言って考えることすらやめてしまう方もいます。
しかし、階段は意外とストレスを感じやすく、最悪の場合は命に関わる場所でもあるため、しっかりと悩んで決めていただきたい場所です。今回ご紹介した45センチの法則を活用して、家族全員にとって使い勝手の良い階段設計を行いましょう。
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