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戸建住宅の外壁の素材別メリット・デメリット「吹き付け壁編」

2021.12.27

コラム


外壁は、建物の1番外側に当たる部分です。風雨や紫外線、砂ぼこり、飛来物の衝突などに直接さらされるため、高い耐久力を備えていなければなりません。もちろん、建物の外観を決定付ける部分でもありますから、デザイン性も重要です。ここでは、そんな外壁仕上げの一種である「吹き付け工法」のメリット・デメリットをご紹介します。

【目次】
1.吹き付け工法とは?
2.吹き付け工法のメリット
3.吹き付け工法のデメリット
4.今回のまとめ

 

吹き付け工法とは?

吹き付け工法は、主に「スプレーガン」と呼ばれる道具を使い、霧状にした塗料を外壁に吹き付けて塗装する工法です。外壁を塗装して仕上げる方法には、ローラーを使って塗料を塗る「手塗り工法(ローラー工法)」もあり、よく比較されます。どちらも向き不向きがありますが、吹き付け工法は主にモルタルの外壁に対して使われる工法です。また、吹き付け工法は塗料に混ぜるものによって、「リシン仕上げ」「スタッコ仕上げ」「吹き付けタイル仕上げ」といった種類に分けられます。それぞれ以下のような特徴があります。

■リシン仕上げ…塗料に細かい砂利や砂を混ぜて模様を作る
■スタッコ仕上げ…セメントや樹脂成分を混ぜ、立体的かつ重厚感のある仕上がりにする
■吹き付けタイル仕上げ…粘土の高い塗料を吹き付け、凹凸を作る

 

さらに、使用するスプレーガンも、空気の力で塗料を噴射する「エアスプレー」と、塗料に直接圧力をかけて飛ばす「エアレススプレー」に分けられます。状況に応じた使い分けが大切です。

吹き付け工法のメリット

吹き付け工法のメリットは、何といっても仕上がりがきれいでムラができにくいことです。塗料を霧状にして吹き付けるため、凹凸のある壁面でも均一に塗装でき、ローラーや刷毛が入りにくい狭い隙間にも対応できます。先にご紹介したようなさまざまな仕上げ方法を使い、多彩な表現ができるのも魅力です。
また、広範囲をスムーズに塗装できるため、工期の短縮につながります。塗装する面積が広ければ広いほど、他の工法よりも効率がよくなるでしょう。その分、人件費などの削減も期待できます。平坦な外壁、なおかつ広範囲を塗装するのであれば、吹き付け工法は非常にメリットが大きいといえます。

吹き付け工法のデメリット

吹き付け工法のデメリットは、塗料が飛散しやすいため養生に時間がかかることです。また、塗料の無駄も発生しやすく、使用量の2割程度が無駄になっているという説もあります。こういった性質上、狭い範囲の塗装で吹き付け工法を用いるのは、いろいろな意味で効率がよくありません。やはり、広範囲の塗装に向いた工法といえるでしょう。また、塗料を噴射する際の音やコンプレッサーのエンジン音など、騒音が発生するのも無視できないデメリットです。塗料の飛散の件も含め、近隣トラブルを招かないよう、ご近所さんへの挨拶回りが欠かせません。
そして、塗料をムラなく均一に塗るのは意外と難しく、高い技術力を必要とします。職人の腕によるところが大きいので、施工を依頼する時は過去の実績などを確認し、熟練の職人がいる業者を選びましょう。

今回のまとめ

吹き付け工法は、一見適当に塗料を噴射しているように思えるかもしれません。しかし、実際には高い技術を要求される、非常に奥の深いものなのです。最近の外壁塗装はローラー工法が主流になってきていますが、吹き付け工法にも独自の魅力があります。下地の状態や求めるデザインなどから、最適な工法を選んで外壁塗装を行いましょう。