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断熱性能を解説!ロックウール・グラスウール・吹き付け断熱の違い
2021.10.20
コラム
夏でも冬でも快適な環境で暮らすためには、住宅の断熱性能を高める必要があります。その上で重要になるのが断熱材です。住宅の断熱材にはいろいろな種類があるため、場所や環境に応じて使い分けなければなりません。今回は、代表的な断熱材であるグラスウール・ロックウール・吹き付け断熱の違いについて解説します。
グラスウールの特徴
グラスウールは、ガラスを高温で溶かして細い繊維状にした断熱材です。原料がガラスとはいっても、見た目や手触りは綿のようにモコモコしています。柔軟性に優れ、木材が収縮してもそれに合わせて形を変えることが可能です。また、鉱物が原料なので火災に強く、シロアリの被害も受けません。防音性能も高いため、楽器の演奏などを行う部屋ではよく採用されます。これらの性能は、繊維の密度が高くなればなるほどアップします。加えて費用も安価であることから、最も普及している断熱材のひとつです。
ただし、内部に水蒸気を含むと性能が低下する性質があり、湿気に弱い点に注意しなければなりません。防湿対策をした上で、施工しづらい部分でも密度を落とさず充填する必要があります。この辺りはどうしても職人の腕に左右されるので、施工経験が豊富な工務店に依頼するのが望ましいでしょう。
ロックウールの特徴
ロックウールは、天然の岩石や高炉スラグ(鉱石を精製して金属を分離した際の残りカス)を原料とする断熱材です。これらの材料を高温で溶かし、繊維状に加工するとロックウールになります。グラスウールと同じく「無機繊維系」の断熱材で、耐熱性・耐火性・防音性・防蟻性などに優れる点も同じです。熱伝導率はグラスウールと同じくらいですが、耐熱性や耐火性は上回っています。
しかも、撥水性に優れ湿気に強いため、グラスウールほどの防湿対策が必要なく、水分の重さでズレ落ちたりカビが発生したりすることも少ないのです。その反面、グラスウールよりも高価なので、一長一短といえます。
吹き付け断熱の特徴
吹き付け断熱は、霧状の断熱材を吹き付けて発泡体を作る方法で、発泡プラスチック系の断熱材が使われます。グラスウールなどの繊維系断熱材との大きな違いは、隙間なく施工するのがとても簡単なことです。そのため、狭い場所や形状が複雑な場所でも、十分に密度を高めて施工することが可能で、職人の腕にはほとんど左右されません。使用される断熱材には、発泡スチロールと同じものを使用した「ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)」、それと同じ素材を硬い板状に成形する「押出法ポリスチレンフォーム(XPS)」、ポリウレタン樹脂に発泡剤を加えて吹き付ける「硬質ウレタンフォーム」などがあります。
どの素材も、薄くても十分な断熱性能を発揮するのが特徴です。また、ポリスチレンは水にも強いのが大きな魅力ですが、一方で熱に弱いという欠点があります。ウレタンフォームは値段が高価で、燃焼すると有毒ガスを出す可能性があるのがデメリットです。そして、どちらもシロアリにはあまり強くありません。場所に応じて繊維系断熱材と使い分けるといいでしょう。
今回のまとめ
完璧な断熱材というものは存在せず、どの断熱材にもメリットとデメリットがあります。それぞれの特徴をよく理解し、施工場所の環境や部屋の用途に応じて使い分ければ、家の断熱性を最大限に高められるでしょう。断熱工事を行うなら、どの断熱材が最もふさわしいのか、施工業者とよく相談してみてください。
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