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家づくりの工法でよく聞く「ラーメン構造」とは
2021.08.10
コラム
家づくりにはさまざまなスタイルがあり、デザイン性や耐久力など多くのポイントを考慮して選択する必要があります。建物の多くの構造の中でも、特徴的な名前で印象に残るのが「ラーメン構造」です。ここでは、ラーメン構造の特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
【目次】
1.ラーメン構造は、柱と梁で建物を支える構造
2.ラーメン構造のメリット
3.ラーメン構造のデメリット
4.今回のまとめ
ラーメン構造は、柱と梁で建物を支える構造
ラーメン構造は、柱と梁を溶接などによって一体化させ(剛接合)、強靭なフレームを作って建物を支える構造です。在来工法やブレース工法のように、筋交いなどの斜め材は使用しませんが、それでも十分な耐久力を発揮します。ラーメンという名称は、ドイツ語で「額縁」や「枠」を表す「Rahmen」という単語から取られたものです。食べ物のラーメンとはまったく関係ありません。
これに対し、建物を壁(耐力壁)で支える構造を「壁式構造」といいます。ラーメン構造も壁式構造も長所と短所があるので、状況に応じた使い分けが重要です。ちなみに、マンションなどがどちらの構造になっているのかは、間取り図で室内に柱の凹凸があるかどうかである程度判別できます。また、壁式構造は高さ15m(4階~5階)までの建物にしか使えないので、6階建て以上の建物ならほぼ確実にラーメン構造です。
ラーメン構造のメリット
ラーメン構造の大きなメリットは、耐力壁や筋交いを必要としないため、間取りの自由度が高いことです。壁のない広い空間を設けやすく、ドアや窓といった開口部の位置や大きさも比較的自由に決められます。壁を作ったとしても、構造体とは関係ない間仕切り壁なので撤去可能です。将来のリフォームにも対応しやすく、間取りを重視する方にはとてもおすすめできる構造といえるでしょう。
また、壁式構造に比べて自重が軽く、柱の太さを変えれば低層建築から高層建築まで幅広く対応できます。壁式構造が高さ15mまでの建物にしか使えないのに対し、ラーメン構造はより高い建物に使えるのもそのためです。構造設計や施工も比較的容易で、工事がスムーズに進み比較的短期間で終えることができます。
ラーメン構造のデメリット
ラーメン構造のデメリットは、柱と梁で建物を支えているという性質上、その2つが太く大きくなってしまうことです。そのため、室内に柱や梁が張り出して存在感が強くなり、狭さや圧迫感を感じる場合があります。最近では、この弱点を克服した「アウトフレーム工法」も登場していますが、別の欠点が生じることもあり必ず使えるわけではありません。また、耐震性や耐風性については一長一短です。一体となった柱と梁は非常に強固で、地震の横揺れや強風に建物全体で耐えてくれる反面、限界を超えると柱や梁がいきなり破壊される可能性があります。基本的には、壁式構造の方が耐震性は上です。とはいえ、実際の耐震性能は構造だけで決まるわけではないので、施工業者としっかり相談しましょう。
なお、ラーメン構造は壁の厚さの制限がないため、理屈の上では壁を薄くすることも可能です。壁が薄ければ、当然隣の部屋・家の物音は聞こえやすくなります。これはラーメン構造自体よりは業者の問題ではあるのですが、マンションの場合は特に注意が必要です。建物の防音性能については、十分に確認することをおすすめします。
今回のまとめ
ラーメン構造は、広々とした空間を設け間取りを自由に決めたい方にとっては理想的な構造です。中古住宅を購入してリノベーションしたい時も、ラーメン構造の建物を選べば自由度が高くなるでしょう。いくつかデメリットはありますが、知っていれば対策は可能です。家を建てるなら、ラーメン構造と壁式構造のどちらにすべきか検討してみてください。
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