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木造住宅は地震に弱い・地震の被害が大きくなりやすいって本当?

2021.03.29

コラム


みなさんは、「地震に弱い家」と聞いて何を想像しますか? おそらく、「木造住宅は地震に弱そう」と考える方が少なくないと思われます。しかし、実はこれはまったくの誤解であり、木造住宅はむしろ地震に強いほどなのです。ここでは、木造住宅の耐震性能について解説します。

【目次】
1.木造が地震に弱く感じるのは、建てられた年代のせい
2.木材は鉄やコンクリートよりも地震に強い!
3.木造住宅は施工業者選びと品質管理が重要
4.今回のまとめ

 

木造が地震に弱く感じるのは、建てられた年代のせい

改めて結論からいうと、木造住宅だからといって地震に弱いということはまったくありません。住宅の耐震性能の目安としては、建築基準法に基づく「耐震基準」や、住宅性能表示制度に基づく「耐震等級」があります。重要なのはこれらを満たしているかどうかであって、住宅の材質が何なのかは直接関係ないのです。とはいえ、「大地震が来た時は木造住宅が多く倒れている気がする」という方もいるでしょう。これは結局のところ、最新の耐震基準を満たしていない住宅=古い住宅に、木造住宅が多いからです。国の統計によると、昭和53年は住宅の約80%が木造住宅でしたが、現在は60%を下回っています。あの阪神淡路大震災でも、多くの木造住宅が倒壊したため、木造住宅の安全性が不安視されたことがありました。しかしその後の調査で、いわゆる新耐震基準を満たし十分な対策が施された木造住宅は、無被害もしくは最小限のダメージで済んでいることがわかっています。木造でも地震に強い家を作ることは可能なのです。

木材は鉄やコンクリートよりも地震に強い!

木造でも地震に強い家が作れるとはいえ、「それでもやっぱり鉄骨やコンクリートの方が頑丈なのでは?」と疑問に思う方もいるでしょう。実は、これもまったくの誤解です。そもそも木材は、鉄やコンクリートよりも地震に強いのです。木材の強度は樹木にもよりますが、密度あたりの圧縮に対する強さは鉄の3倍、コンクリートの10倍もあります。さらに、引っ張りに対する強さも鉄の4倍、コンクリートの120倍もあるのです。また、地震のエネルギーは建物の重さに比例するため、重い建物ほど大きく揺れます。その点、木材は鉄やコンクリートに比べて圧倒的に軽い素材なので、同じ大きさの建物なら鉄やコンクリートよりも被害が小さくなるのです。これらの点から、木造住宅は間違いなく「地震に強い」といえるでしょう。

木造住宅は施工業者選びと品質管理が重要

ここまで見てきたように、「木造住宅だから地震に弱い」ということはありません。しかし、実際に高い耐震性能を持たせるには、多くのポイントに配慮する必要があります。盤石な基礎作りやバランスのいい耐力壁の配置、筋交いの設置や金物による補強などは必要不可欠です。また、木造住宅は現場で材料の加工を行うことが多く、繊細な作業が求められる工程もあるため、職人の腕の影響を受けやすいという問題があります。さらに、シロアリの被害や腐食によって、強度が低下してしまう可能性も考慮しなければなりません。つまり木造住宅は、業者選びと品質管理が非常に重要なのです。木造住宅を建てるなら十分に情報を集め、信頼できる業者を選んでください。

今回のまとめ

木造住宅は地震に弱いイメージを抱かれがちですが、それらの多くは誤解に基づくもので、むしろ地震に強い性質があります。ただ、木造ゆえの弱点があるのも確かです。本当に地震に強い木造住宅を作りたい時は、経験豊富な職人を有する業者探しから始めてみましょう。